
「Windgoe」は自転車に取り付けて使用する電動アシストユニット。プロペラを回転させて強力な風を自転車の後方に吹き出し、そのパワーで自転車を前進させる。米国ケンタッキー州に本拠をおくWindgoe制作チームが開発した。

最大の特徴は自転車への取り付けが簡単であること。ほとんどすべての自転車に装着できるという。

一般的な電動アシストユニットは、自転車のドライブトレイン内にモーターなどを組み込む必要がある。だがこれには高度な技術が必要だ。外付けアシストユニットではタイヤに動力を伝えるものもあるが、これを使用するとタイヤのヘリが早くなるし、雨などに弱いという欠点ももっている。最近は、ホイール内にモーターを組み込んだハブモータータイプの人気が高まっているが、これにしてもすべての自転車に装着できるとは限らない。

雨や泥に弱い
「Windgoe」は世界でも珍しい、自転車のドライブトレインに一切干渉しない電動アシストユニット。これにより、誰にでも簡単に、あらゆるタイプの自転車に装着可能となった。

この発想は誰にもなかったのでは?
タイヤのトラクションによらないシステムなので、路面の状態が悪い場所でもアシストできる。ペダルを漕いでもタイヤが空転するような厳しい路面状況にあっても前進が可能だそうだ。ぬかるんだ道や雪道でも走行できるという。
欠点もある。世界でも珍しいアシストユニットなため、その欠点も珍しいもの。例えばカーブはあまり得意ではないようだ。曲がるときには一般的な自転車以上に減速が重要となる。また、プロペラが回転する際の騒音も激しい。市街地ではプロペラを停止させた方がよさそうだ。その他、プロペラの風が巻き起こす風自体が問題になることも。「Windgoe」の後ろについた自転車やバイクは、走行がかなり辛いものになると考えられる。

とはいえ、そのような音も含めて、「Windgoe」を装着しての走行は楽しそうだ。街中を走るのはどうかとは思うが、遊園地などのアトラクションとして設置されれば、人気ができるのではないか。実際に「Windgoe」を装着した走行の模様については、次の動画を参照されたい。
「Windgoe」は現在はプロトタイプ段階。プロトタイプの重さは約13キロだという。プロペラを回した場合の最大速度は時速約56キロ。フル充電ではペダルを漕がなくても約19キロ走行できるとされている。

やはり、アトラクション?
Windgoe制作チームは「Windgoe」の市販化に向けてクラウドファンディングサイトkickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施中。だが、本稿執筆時点では調達額は2ドルに過ぎない。現状、「Windgoe」の製品化は厳しそうに思える。どこかの遊園地の運営者の方が出資をしてくれないものだろうか?
