
通訳するイヤホンはこの数年、複数のスタートアップ企業から発表、発売され続けてきた。だがその仕組みは既存の音声認識と自動翻訳を組み合わせたもの。この2つの分野を得意とするGoogleが通訳するイヤホンを開発すれば、より最適化された良いものになるのではないか?そう考える人は多かった。

Googleは10月4日に「Pixel Buds」を発表した。これはまさに“Googleによる通訳するイヤホン”と呼べるもの。全40言語のリアルタイムでの通訳に対応するという。

「Pixel Buds」自体はBluetoothを使ったワイヤレスイヤホン。従来のイヤホン同様、AndroidスマートフォンやiPhoneと接続して音楽を聴いたり、通話をしたりできる。だがAndroid 6.0以降の動作するスマートフォンと連携することでGoogleアシスタントを利用し、その性能をフルに発揮できるようデザインされている。Googleアシスタントを使えば、スマートフォンをポケットやカバンから取り出さなくても、イヤーパッドを操作することで音楽を聴いたり、電話をかけたりが可能だ。
さらにPixelスマートフォンと連携すれば、通訳機能を利用可能となる。これはGoogle翻訳とPixelスマートフォンを活用したもの。「Pixel Buds」を耳の中に隠れた通訳のように機能させるものだ。

通訳機能を利用するにはGoogleアシスタントに通訳を依頼する。依頼後に利用者が喋ると、それが翻訳されてPixelスマートフォンのスピーカーから出力されるという仕組みだ。会話相手が喋った言葉はPixelスマートフォンのマイクから入力され、翻訳された音声がイヤホンから聞こえてくる。
Google翻訳は日本語の翻訳品質はいまひとつなことが多い。だが、欧州言語や中国語などと英語の間の翻訳品質は実用レベルに達している。ある程度英語が使える人が英語の通じない地域に出張や旅行に行くとき、「Pixel Buds」があれば便利なケースがあるだろう。
米国ではすでにプリオーダーが開始されており、発売は11月、価格は159ドルとなっている。