新たに電動アシスト自転車を購入するのではなく、自分の愛車を電動アシストにできればと願う人は、欧州や米国では多い。そのような人向けのコンバージョンキットも販売されているが、これらはスタート価格が10万円程度からとかなり高く、電動アシストを新車で買う方が安い、という声もある。
価格は890ユーロ(約11万8,000円)から
「EAZY Bike」は、電動アシスト自転車の世界に価格破壊をもたらすコンバージョンキット。スウェーデンに本拠をおくEAZY Bike Supportチームが開発した。
自分の手でクランク下にモーターを取り付けるタイプのコンバージョンキット。モーターはクランクではなく、タイヤに直接動力を伝える。このタイプはパワーロスが発生しがちだったり、タイヤが早く摩耗したり、雨の日にはすべりが気になったりという欠点はあるが、モーターパワーがそれほど強くなくてもアシストできるという長所がある。また仕組みが簡単なので、価格が安くなるというメリットも。
モーターによるアシストは、サイクリストがペダルを漕ぎ、自転車が時速5キロに達したときにスタートする。サイクリストがペダルを漕ぐのを止めたら、モーターはタイヤから離れて、自転車へのパワー伝達を止めるという仕組みだ。最高速度は欧州向け仕様版が時速25キロで、米国向け仕様版が時速32キロに設定された。
だが、これは構造上、仕方ない?
バッテリーはボトルホルダー用の台座に専用のバッテリーホルダーを取り付け、そのホルダーに装着する。バッテリーはホルダーからワンタッチで取り外せるので、オフィスや自宅の部屋で充電する際に便利だ。フル充電に必要な時間は約3時間で、フル充電で約50キロアシストできる。
オフィスや部屋に自転車を入れられない人には助かる仕様
価格は欧州版が399ドル、米国版が419ドルとなる予定。出荷は2018年春を予定している。
またEAZY Bike Supportチームは現在、クラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、159ドルの出資+送料で欧州版を、169ドルの出資+送料で米国版を入手できる。
残念ながら「EAZY Bike」を装着した自転車は、日本では公道を走行できない。EAZY Bikeチームに日本での発売について尋ねたところ、最初は乗り気だったが、日本の道路交通法の抄訳をチームに送って以降、連絡が途絶えてしまった。日本版の登場は期待できないかもしれない。
わずかな費用で愛車を電動アシスト化できる「EAZY Bike」。欧州や米国のサイクリストがうらやましい。