ビットコインゴールドのイメージ

仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」再分裂(分岐)の可能性が高まり、10月25日に新通貨「Bitcoin Gold(ビットコインゴールド)」が誕生する目算となった。しかし仮想通貨と現実の通貨の交換を手掛ける取引所の対応は割れている。ビットコインを持っている人に、新たにビットコインゴールドを付与するかどうかが焦点。

ビットコインは8月にも分裂し、新通貨「Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)」を誕生させた。その際は、多くの取引所はビットコインの口座を持つ人に、ビットコインキャッシュを付与した。


しかし今回は、セキュリティ上の懸念などを理由に、ビットコインゴールドの付与をしないと判断したところも出ている。特にReplay Attack(リプレイアタック、反射攻撃)というサイバー攻撃への懸念が強い。

金融庁に「仮想通貨交換業者」として登録した各社について10月23日時点での状況をまとめた。

QUOINE

QUOINEはビットコインゴールドを「付与しない」方針を10月20日時点で明らかにした。

リプレイアタックに対する対策が不十分と考えられるため、資産保全を優先するとしている。また10月25日時点でビットコインの預け入れ及びご送付サービスを一時停止する。

ただし今後の展開には注視して、サポートする場合には遅滞なく通知する考え。

bitFlyer

bitFlyerは、ビットコインゴールドを「付与する」方針を10月21日時点で明らかにした。

bitFlyerで管理しているビットコイン現物と同量のビットコインゴールドを付与する。分裂が高級的で、資産保全などの観点で問題がないと判断した時点で実行する。
 
ビットコインゴールドの売買、預入、送付も始める。分裂前後のサービス停止は予定せず、すべて平常通り利用可能にする考え。 

ビットバンク

ビットバンクは、ビットコインゴールドを「付与しない」方針を10月19日時点で明らかにした。

理由としてリプレイアタックの懸念に加え、プレマイン(非公開環境における通貨発行の独占)により公平な分配がない恐れや、高い信頼性が期待できる計算手法「Equihash PoW」への移行が完了していない点、リスケジュールの可能性などを挙げている。

ただし分裂時点で、利用者がビットバンクで管理しているビットコインのスナップショット(記録)を取得し、懸念していたような問題がまったくないと判断できた場合にあらためてビットコインゴールドの付与を検討するとしている。

 GMOコイン

GMOコインは、ビットコインゴールドを「付与する」方針を10月21日時点で明らかにした。

付与時期については未定。安全性と信認性の見地から問題があった場合には決定を変更し、付与しない可能性もあると断っている。なお、ビットコインゴールドの売買などを取り扱う予定はない。また分裂に伴い、25日20時から、ビットコインの受入、引出を一時停止する。


ビットトレード

ビットトレードは、ビットコインゴールドを「付与しない」方針を10月19日時点で明らかにした。

理由としてリプレイアタック、プレマインの懸念、Equihash PoWへの移行が完了していない点、リスケジュールの可能性などを挙げている。

分裂時点で、利用者がビットトレードで管理しているビットコインのスナップショットを取得し、懸念していたような問題がまったくないと判断できた場合にあらためてビットコインゴールドの付与を検討するとしている。

BTCボックス

BTCボックスは、ビットコインゴールドを「付与する」方針を10月20日時点で明らかにした。

ビットコインゴールドに問題がないと確認できた場合に、利用者がBTCボックスで管理しているビットコインに対して同量のビットコインゴールドを付与する。取引、入出金に関しては20日時点で決定した事実はないとしている。

ビットポイントジャパン

ビットポイントジャパンは、ビットコインゴールドを「付与する」方針を10月20日時点で明らかにした。

利用者がビットポイントで管理するビットコインと量に応じてビットコインゴールドを付与する方針。ただ分裂後に通貨の基盤となる「ブロック」が安定生成しない、リプレイアタックなどのリスクがあるなどの場合は付与を延期または中止する可能性がある。

ビットコインゴールドの送付、預入、売買については、取り扱い未定。ビットコインゴールドの付与を中止した場合は、利用者の保有分をビットポイントが買いとる。分裂に伴うサービスの停止は予定していない。

フィスコ仮想通貨取引所

フィスコ仮想通貨取引所は、ビットコインゴールドを「付与しない」方針を10月21日時点で明らかにした。

入出金・取引も行わない。理由はリプレイアタックの懸念、通貨発行(採掘)を手掛けるマイナーが集まらずブロックが継続的かつ安定的に生成しない恐れ、欠陥や脆弱性により資産保全が確実でない恐れを挙げる。また分岐が起きる10月25日前後にビットコインの入出金を停止する可能性がある。

ただし利用者のビットコイン残高についてスナップショットをとり、ビットコインゴールドのリスクが解消またはヘッジできる見込みが立った場合には、付与と取り扱いを始める可能性がある。

テックビューロ

「Zaif」ブランドで取引所を運営するテックビューロは、ビットコインゴールドを「付与しない」方針を10月21日時点で明らかにした。

入出金・取引も行わない。理由はリプレイアタックの懸念、マイナーが集まらずブロックが安定生成しない恐れ、資産保全が確実でない恐れを挙げる。

利用者のビットコイン残高についてスナップショットをとり、ビットコインゴールドの懸念がすべて解消した場合には、付与と取り扱いを始める可能性がある。