Amazon Echoのイメージ

Amazon.com(アマゾン)の新製品「Amazon Echo(アマゾンエコー)」の日本上陸で、注目を浴びるスマートスピーカー/AIスピーカー。新しい分野だけに定まった呼び方がなく、ちょっとした混乱も起きている。

Amazon Echoは、家庭のリビングなどに置くと、音声で話しかけるだけで調べものをしたり、音楽を再生したり、今後のスケジュールを確認したりできる機器。iPhoneやAndroidスマートフォンと異なり、手や視界をふさがずに操作がしやすい作りで、家事や趣味などをしながらの「ながら作業」に便利という期待がある。


すでにAmazon EchoだけでなくGoogleの「Google Home」やAppleの「HomePod」、Microsoftの「Cortana」を搭載した製品群などそうそうたる大企業の参入が相次いでおり、米国に続き日本でも身近になるのではないかと評判だ。

ただ、これらをまとめて何と総称すべきかはまだ固まっていない。報道などを見ると新聞、雑誌、テレビなどは「AIスピーカー」という表現がお気に入り。Amazon Echoなどが人間の呼びかけを認識、処理するため、深層学習など人工知能(AI)研究に有望な技術を取り入れた点に注目している。またAIという言葉自体が持つ魔法のような雰囲気も読者を惹きつけると考えてのことかもしれない。

インターネット発のニュースサイトなどは「スマートスピーカー」という表現をする場合がある。AIという言葉が誤解を招きやすいとして避けつつ、スマートフォンからの連想でなじみやすい響きを選んだというところ。

さらにTwitterやFacebookなどのSNSでは、そもそも「スピーカー」という形容に疑問を呈する向きもある。Amazon Echoなどは音声を認識するための好感度のマイクを備えるのはもちろん、外部機器と連携し、テレビの電源を点けたり消したり、エアコンの温度を調節したりするのだから、もっと違った名前にすべきというのだ。しかし例えばひところ出回った「スマートホームデバイス」といった言葉にすると、今度はやや漠然としすぎるきらいはある。

もっとも、もしAmazon Echoをはじめとする製品が、スマートフォンと同じく本当に生活に根づいてゆくのであれば、あれこれ気をもまずとも、いずれぴったりした呼び方は自然に決まっていくに違いない。