YouTubeのイメージ
(出典:ルイス・フォンシの公式YouTubeチャンネル)

Google傘下の動画共有サイト「YouTube」は2017年の注目動画ランキングを公開した。トップはミュージシャン、ルイス・フォンシとダディー・ヤンキー両氏による「Despacito(デスパシート)」だ。


このランキングは1年間を動画で振り返る恒例企画「YouTube Rewind(リワインド)」の一部として公開中。全世界での再生、共有、コメント、評価、派生動画の数などさまざまな要素をもとに選定している。


特にデスパシートは新記録を樹立している。2017年の音楽動画のランキングで1位となっているだけでなく、視聴数が累計40億回超とYouTube史上最も多くなっている。世界50か国以上で音楽動画の1位に君臨している。

デスパシートはスペイン語の楽曲だが、YouTubeの字幕機能により内容は簡単に理解できる。メロディーに奇抜なところはなく、歌詞も地域を問わない普遍性のある主題を取り上げている。

しかし日本での知名度はいかほどか。海外での人気をニュースサイトなどが何度か取り上げても、興味がない人にとって例え毎日YouTubeを利用していても初耳の可能性もある。

インターネットによって世界中の動画を視聴できるようになって随分経つが、音楽の好みは必ずしも「グローバル化」「フラット化」していない。そもそもYouTubeは視聴する人間にとって居心地がよいよう地域や言語、趣味に合わせ最適な動画を提案する機能がある。例えば邦楽やアニメソングなどが好きな人は似たような作品を連続して聴き、TwitterやFacebookなどで話題になるのも気心の知れた家族や友人のあいだで好みの範囲に収まる作品が多い。

ネット上の「フィルターバブル」とも呼ぶ現象によって、ある意味テレビやラジオが主な音楽への接触機会だったころ以上に細分化は進みやすい状況にある。

さてYouTube Rewindの日本版は12月17日に発表予定だが、どのようなランキングが登場するのか興味深いところ。