Togetterのイメージ

Twitterの投稿などを簡単にまとめられる連携アプリケーションとして人気の「Togetter」。その開発者が、Twitter上で凍結(利用停止)措置にあった。またTwitterは、Togetterとの連携を一部遮断(しゃだん)している。

マストドン旋風の立役者も一時凍結

Twitterではこの種の事件はもはや珍しくない。12月13日にはTwitterと同様なおしゃべりの場を誰でも作れる「Mastodon(マストドン)」を日本に広めた技術者、nullkal氏が凍結になったばかり。ただその後、15日になってnullkal氏の凍結は解除となっている。


nullkal氏の説明によると、凍結の理由はTwitterとの連携アプリを開発するための規約に違反した、とTwitterが判断したのが原因。Twitterの要求に従って解除にこぎつけた。

ちまたのうわさには、Twitterと競合関係にあるマストドンを普及させたnullkal氏への悪意が働いたのでは、という憶測もあったが、少なくとも本人はそのような主張をしていない。

Togetterも同じ原因?

ともかく一件落着と思いきや、12月15日に今度はTogetter開発者の吉田俊明氏が凍結にあった。またTogetterそのものもTwitterとの連携遮断を受け、新規ログインができない状態となっている。

吉田氏はマストドンを「避難所」として使い、現状を報告した。いわく作っていたTwitter連携アプリがすべて停止となった。対処として「Togetter」とその海外版「Chirpstory」などを除きほかは削除に踏み切った。今後は凍結解除の申請を出しつつ、Twitterの日本法人に連絡をとるとしている。

またTogetterはTwitterの負荷になるようなアプリではなく、不正は行っておらず、Twitterの設けた制限の中で十分に運営できていたと述べている。

はたして吉田氏の主張が正しく、nullkal氏と同様に迅速に凍結を解除してもらえるかは興味を引くところ。

ただTogetterにとっては、いずれにしても運営方針を考え直す時期が来たともいえる。

TogetterはTwitterの投稿を人気の話題ごとにまとめて共有し、にぎわいをもりあげる役割を果たしているが、最近はTwitterも公式に似たような機能として「モーメント」や「スレッド」を導入しており、連携アプリでありながら一種の競合関係になっている状況だ。

ちなみにTwitterは以前から、自らが持たない秀逸な機能を連携アプリが実現すると、初めは好きにさせてから、やがてアイデアを取り込み、もとになった連携アプリに対しては規約を盾にしめつけを強める流れを繰り返してきた。

Togetterのような人気のある連携アプリであっても、Twitterのみに依存する体制には常に危うさがつきまとう。対策としては、マストドンの投稿をまとめる機能などを開発していくとか、あるいはより多様な情報源からまとめを作成できる「NAVERまとめ」などにならった方向へ進むとか、いずれにしても生き残りの工夫が必要になる。