寒波が押し寄せる日本列島。歩行者はもちろん、車イスでの外出は寒い。そこで「車コタツ」を作ってみた、とする発明がTwitter上で話題を呼んでいる。
車椅子での外出はあまりに寒いので、歩行者も羨む車イス、車コタツを作ってみた。
— 吉藤オリィ(オリィ研究所 所長) (@origamicat) 2018年1月23日
ベースの車椅子はリクライニングとティルトが可能で、そのままフラットに寝れる。
ポータブル電源を搭載しPCも使いたい放題だ。
人類はついにコタツから出ずに外出する術を手に入れたのだ。 pic.twitter.com/hH8CyibTfc
この車コタツは、単なる車コタツにあらず。ベースの車イスはリクライニングとティルトが可能で、そのままフラットにして寝ることも可能。ポータブル電源を搭載し、PCも使いたい放題だという。なかなかのハイテクぶりだ。
開発したのは東京都の企業、オリィ研究所の吉藤健太朗氏。ロボットやALS(筋萎縮性側索硬化症)患者向けの意思伝達装置の開発を手掛けている。以前から車イスを利用する人のためのさまざまな、意表を突く発明をするので有名だ。
Twitter上でその意図を説明している。「車イスが羨ましくなる世界になればいい。皆買って乗ればいい。そのついでにバリアフリー理解が進めばいい」という主旨だ
動力の有無などの差はあるが、政府や大手企業が検討するパーソナルモビリティ、超小型モビリティなどにも通じる発想だ。
吉藤氏のTwitterによると、以前に車イスをいじっていた際、当事者ではない人物から「車椅子で遊ぶのはけしからん」と怒られたが、吉藤氏は車イスを特別なものだと思っておらず、バイクや車をいじるように改造する考えで、視線で操作できれば便利だし、吉藤氏のデスクはこれでいいと思ってる、のだとか。
実際に、過去には視線で操作できるPCと一体型の車イスを開発している。これは軍用ヘリコプターから銃撃を行うために開発が進んだ視線入力を応用した福祉工学の成果を取り込んだもの。
はたから見る限り「特別なものではい」とする主張に反して、吉藤氏が車イスに対する姿勢は、ALSなどで車イスを利用する人のために少しでも便利なものを作り出したいという意図がうかがえる。次はどんな車イスが登場するのか興味深い。