実はオフィスが危ない? 複数人感染の施設は「事業所」「医療施設」が最多

全国の新型コロナウイルス感染事例報告施設の情報を独自に収集・分析するJX通信社は、同一施設内で複数人の感染が報告されたケースはオフィスや工場などの「事業所」が72か所に上り、「店舗」や「公共施設」を上回って最多となっていることを明らかにした。

同社によれば、新型コロナウイルス感染事例が判明している施設は20日午後4時時点で、少なくとも1,269か所に上っているという。そのうち228か所では、同じ施設内で複数人の感染事例が報告されている。


同社はその228か所について内訳を調査。オフィスや工場などを含む「事業所」の数が72か所に上り、病院などの「医療施設」と並んで最多となっていることを確認した。

複数人の感染事例が報告された施設の具体的な件数は下記の通り。
・事業所(オフィス・工場など):72か所
・医療施設(病院など):72か所
・福祉施設(老人ホーム、障害者支援施設など):27か所
・公共施設(市役所、警察署など):19か所
・店舗(飲食店、クラブなど):17か所
・児童施設(保育園、幼稚園、こども園など):7か所
・教育施設(小・中学校、高校、大学など):5か所
・その他:9か所 
(20日午後4時時点)

これまで、日本国内では病院での数十人~100人単位の大規模クラスターや、クラブなどの「夜の街」クラスターが注目されてきた。だが複数人の感染事例のある施設としては、「店舗」や「公共施設」よりもオフィスや工場など「事業所」の数が多く、医療施設と並んで最多となっている。

JX通信社ではこの実態はオフィス等での感染リスクの大きさを示唆する結果であると言えそうで、企業におけるテレワークのより一層の推進や、従業員を出勤させる場合の感染対策徹底の重要性が浮き彫りになったとしている。