人間の目のように動くWebCam「Eyecam」

「Eyecam」は人間の目のようなWebCam。Marc Teyssier氏がフランス ザールラント大学ヒューマンコンピュータインタラクション研究室で研究・製作しました。

人間の目のように動くWebCam「Eyecam」
人間の目のようなWebCam「Eyecam」

製作の目的は、「Eyecam」を見た人が“センシングデバイス”の存在を意識すること。私たちの周囲には、防犯カメラやAmazonのAlexa、AppleのSiriなど、多くの“センシングデバイス”が存在し、私たちの行動を“見たり”“聴いたり”しています。でもそれらの外観は単なる小さな穴であることが多く、私たちはそれらが私たちを見たり、聴いたりしていると意識できていません。


「Eyecam」は目の形状をし、目のような動きをするWebCam。このような外観とすることで、その前にいる人間は見られていることをはっきりと認識できるようになります。また、WebCamが私たちを見るデバイスであるという認識を持つことで、その他の“センシングデバイス”に対する意識も変化します。

人間の目のように動くWebCam「Eyecam」
目のカタチを取ることで
こちらを見ていることが認識可能に

「Eyecam」の動きは人間の目を模したもの。スイッチを入れることでまぶたが開き、目の前の人が動けばそれを追って眼球が動きます。目の前の人が立てば眼球が上を向き、さらにまぶたも開きます。

人間の目のように動くWebCam「Eyecam」
目を大きく見開くことも!

その内部は皮膚層、筋骨格系、眼球の3つのパートで構成されており、これらが協調動作して人間らしさを表現します。6つのモーターが眼球の横方向/縦方向の動きやまぶたの開け閉じを再現しており、モーターの動作はArduinoNanoで制御されています。

人間の目のように動くWebCam「Eyecam」
こちらは皮膚層
リアルですね

瞳孔内側には小さなカメラが配置されていて、PCに接続するとWebカメラとして利用可能となります。

人間の目のように動くWebCam「Eyecam」
カメラはごく普通のもの
眼球は…リアルですね

Marc Teyssier氏は「Eyecam」を販売する予定はないそう。でも、ハードウェア/ソフトウェアはオープンソースとしいており、GitHubからダウンロードできます。材料が入手でき、3Dプリンターなどを利用可能であれば、誰でも「Eyecam」を作れます。

人間の目のように動くWebCam「Eyecam」
3Dプリンターをレンタルすれば作れます

「Eyecam」のリアルな動きを見たいという方は、次の動画で確認してください。少し不気味ではありますが、“センシングデバイス”は実はこんな風に我々をこっそりと見ていてそのことを隠していると思うと、実はそっちの方が不気味なのかもしれません。