ホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company:HACI)は、小型ビジネスジェット機HondaJetの最新モデル「HondaJet Elite S(エリート S)」を発表した。

ホンダがHondaJetの最新型「HondaJet Elite S」を発表

今回発表された「HondaJet Elite S」は、運用性能を拡充し、操縦性を向上したアップグレードモデル。機体の最大離陸重量が200ポンド(約91kg)増加し、より多くの荷物を搭載することあるいは燃料搭載量を増やして航続距離を最大120ノーティカルマイル(約222km)伸ばすことが可能となった。


アビオニクスシステムのアップグレードとしては、無線通信をテキストメッセージで行うFAA Data CommとACARS、およびパイロットの地上操縦時の負荷を軽減するASASシステムを導入。機体運用の安全性を向上している。

外観デザインでは、「ガンメタル」「ディープシーブルー」「ラックスゴールド」の3色の新しいカラーデザインが加わった。ロゴでは「S」が赤で追加されている。エクステリアカラーの選択に応じて色をカスタマイズすることも可能だ。

ホンダがHondaJetの最新型「HondaJet Elite S」を発表

HACIは今回の発表で、ビジネスジェットの常識を覆すスペシャルコンセプトデザインが施された「HondaJet Elite S」初号機も公開している。

ホンダがHondaJetの最新型「HondaJet Elite S」を発表

■ HondaJet Elite Sの主なアップグレード内容
◆ 最大離陸重量を200ポンド(約91kg)増加
・ より多くの積載物(ペイロード、または実際に搭載する旅客や貨物の重量)を搭載
・ あるいは搭載燃料の制限を緩和することで航続距離を最大120ノーティカルマイル(約222km)延長

◆ 重量及び重心移動範囲の拡大
・ 安全に飛行するために設けられた重心位置移動許容範囲を拡大することで、積載物の重量の分配における制限も緩和

◆ アビオニクスソフトウェアのアップグレード
HondaJetのアビオニクスをベースに、先進的な機能を導入。地上の管制官とパイロット間の連絡をテキスト(文字)ベースのメッセージによるデジタル通信で行うことで、正確かつ迅速な通信が可能となり、パイロットの負荷を軽減するほか、機体運用の安全性を向上
・ FAA Data Comm:米国内で提供されている、データ・ リンク(デジタル通信)を使用した出発管制承認に係る一連の機上通信システム。従来の音声コマンドをテキストベースのメッセージングに置き換えることで、コミュニケーションの明瞭性と効率性を向上する
・ ACARS:VHF通信や衛星通信を用い、出発地・ 目的地、便名、天候、および搭載燃料など運航に必要な情報を航空機と地上間で自動的に送受信する通信システム
・ COM3:データ・ リンク不使用時に第3のVHF無線チャンネルとして使用する通信手段。FAA Data CommとACARSを選択することで付属される機能

◆ ASASシステム
・ Advanced Steering Augmentation System(ASAS)システムの導入により、特定の天候条件下での運用性能を高め、パイロットの負荷を軽減するほか、機体運用の安全性をさらに向上

◆ 機体カラーに新しい特別色を追加
・ ガンメタル、ディープシーブルー、ラックスゴールドの3色を追加
・ ロゴでは赤で「S」字が表記された。エクステリアカラーの選択に応じて色をカスタマイズできるオプションが追加されている