ベスパの元ディーラーが考えた電動カーゴバイク「Civilized Model 1」

「2022 Civilized Model 1」は、“ベスパのようなおしゃれな街乗りバイク+カーゴバイク”を目指す電動バイク。米国Civilized Cyclesが開発し、現在予約を受け付けています。

ベスパの元ディーラーが考えた電動カーゴバイク「Civilized Model 1」
ベスパの元ディーラーが開発した「Civilized Model 1」予約受付中

Civilized Cyclesの創業者兼CEOであるZachary Schieffelinさんは、米国で最大級のベスパディーラー「Vespa Soho」を運営していた人。Schieffelinさんが取り扱いを始めた当時、ベスパはわずかなガソリンで走り、渋滞の原因にもなりにくく、駐車場も要らないことで、環境意識の高いニューヨークの人々から高い人気を得ていました。


でもSchieffelinさんによれば、2008年頃から顧客の求めるものが変化したそう。顧客は多くの人や荷物が運べ、アップライトなスタイルでリラックスして乗れる「電動の乗り物」を求めるようになったそうです。

「Civilized Model 1」は、このような要求に応えて開発され電動カーゴバイク。リアには大型のパニアバッグを装備していて、これを開くことで容量は80L(22kg)となり、カーゴバイクとして十分に機能します。通勤時にビジネスバッグを入れられるのはもちろん、週末の食材のまとめ買いにも対応できます。

ベスパの元ディーラーが考えた電動カーゴバイク「Civilized Model 1」
リアに大型のパニアバッグを装備
MacBookから

ベスパの元ディーラーが考えた電動カーゴバイク「Civilized Model 1」
大量買いした食材まで入れられます

このパニアバッグを閉じれば、リアシートに人を乗せて大人2人での走行が可能に。バッグを閉じることで人の乗車スペースを作るという実にシンプルなアイディアですが、乗り心地は良さそうです。ちなみに、閉じたときでも20Lまでの荷物を搭載できるのだとか。

ベスパの元ディーラーが考えた電動カーゴバイク「Civilized Model 1」
パニアバッグを閉じれば二人乗りできます

Schieffelinさんによれば、最近のニューヨーカーは若い世代ほど、移動や旅行は友達や子どもと一緒にしたがるのだそう。このため、最低でも2人が一緒に移動できる乗り物であることが「Civilized Model 1」開発における第一条件となったそうです。

ベスパの元ディーラーが考えた電動カーゴバイク「Civilized Model 1」…人も荷物ものせられる
バイクはもう“孤独を愛する男の乗り物”ではないのですね

リアに乗車する人向けの配慮にも抜かりはありません。幅広で十分な長さのあるフットレストのおかげで、安心して座っていられます。トラベル量の多いサスペンションが装備されているので、2人乗りでもお尻が痛くなることはありません。また、リアホイールはパニアバッグでカバーされているため、ボトムを油や泥はねで汚さずに済みます。

ベスパの元ディーラーが考えた電動カーゴバイク「Civilized Model 1」…人も荷物ものせられる
長時間走行ではフットレストはとてもうれしい

バッテリーはフル充電で約48kmの走行が可能で、オプションのセカンドバッテリーを装備することで距離を96kmにまで伸ばせます。モーターは750Wで、最高速度45km/hでの走行が可能となっています。

ベスパの元ディーラーが考えた電動カーゴバイク「Civilized Model 1」…人も荷物ものせられる
坂道もパワフルに

価格は5,499ドル(約61万円)で、出荷は2021年8月下旬に予定されています。今回のモデルの販売対象となっているのは、ニューヨーク都市部在住の人達のみで、「限られた台数しか生産しない」ため日本への配送対応はありません。

もっとも、「Civilized Model 1」を日本の公道で走らせるには、「ナンバープレートをどう取り付ける?」など課題は山盛り。でも、困難であればあるほど燃える人にとっては、日本上陸は待ち遠しいのではないでしょうか?

ベスパの元ディーラーが考えた電動カーゴバイク「Civilized Model 1」…人も荷物ものせられる
2人乗りってことは……。

(本稿内の画像には今回販売される2022年モデルの他、プロトタイプも含まれています)