米国Cariosaが、秘密が漏れない携帯電話の開発に向けた資金調達プロジェクトをIndiegogoで開始しました。エンドツーエンド暗号化による通話とメッセージ交換が可能な新デバイスです。

秘密が漏れない携帯電話Indiegogoに登場
秘密が漏れない携帯電話開発に向けた資金調達プロジェクトがスタート

通信技術では、一般的な携帯電話で採用されているプロトコル等を使用しないことで、通話内容やメッセージの内容が傍受されることを防止。脆弱性の発生しうるポイントを可能な限りスキップすることで“秘密の漏れない携帯電話”の実現を目指しています。


デバイス自体からは、一般に知られているスマートフォン用OSを排除。これにより、携帯電話にウイルスやスパイウェアが感染することを防ぎます。また、携帯電話内には受信・送信ボックスはなく、通話履歴や通信ログなども一切残らない仕様に。交換したテキストメッセージはサーバ上だけでなく携帯電話内にも残らず、受信したメッセージは10分後には自動消去されます。

5Gにも対応。もっとも、通話とテキストメッセージ交換しかできないデバイスが5Gに対応することにどのような意味があるのかは疑問ですが。

この携帯電話のデメリットとしては、市販されている携帯電話とは通信・通話ができないことがあげられています。通話やメッセージ交換はこのデバイスを持っている2人の間でのみ可能という、トランシーバーのような運用しかできません。また、おそらくは日本語には対応できません。

秘密が漏れない携帯電話Indiegogoに登場
このデバイスを持っている人との間でだけ連絡が取れます

もう一つのデメリット……というか不安要素としては、この携帯電話の開発ステージがいまだコンセプト段階にあることがあげられます。年内出荷を目指していると謳うわりには、プロトタイプもまだ存在しないというのはかなり不安ではあります。

それでも、社内の重要な機密事項について同僚や上司とやりとりをする必要のある人や、浮気をパートナーや週刊文春に知られたくない人には、この携帯電話は福音となる……かもしれません。

秘密が漏れない携帯電話Indiegogoに登場
今年前半には携帯から漏洩した秘密のスクープが多発していましたね

市販価格は6,000ドル(約65万8,000円)になる予定。Indiegogoのプロジェクトでは4,000ドル(約43万9,000円)の出資で入手できます。出荷開始は前述の通り、2021年の12月に予定されています。