ソーラーキャンピングカー「Stella Vita」 太陽光発電のみで走行も生活も
Photo by Mr. Bart van Overbeeke

アイントホーフェン工科大学の学生22名によるチームが「Stella Vita」を制作しました。太陽からのエネルギーで旅をしながら生活をし、仕事をすることもできるキャンピングカーで、ソーラーパネルのみで走行と生活の両方に必要な電力を賄います。

ソーラーキャンピングカー「Stella Vita」 太陽光発電のみで走行も生活も
テレビの視聴やラップトップの充電、それにコーヒーを沸かすことすべてを太陽エネルギーで
Photo by Mr. Bart van Overbeeke

太陽光での走行

ルーフには17.5平方メートルサイズのソーラーパネルが設置されており、これで発電したエネルギーを60kWhのリチウムバッテリーに充電。走行と生活に利用します。ドライブユニットとして採用されているモーターは最高速度120km/hでの走行を実現。よく晴れた日であれば、太陽光のみで最長730kmの走行が可能なのだとか。


 テレビの視聴やラップトップの充電、それにコーヒーを沸かすことすべてを太陽エネルギーで
走行時にはソーラーパネルは折りたたまれます
Photo by Mr. Bart van Overbeeke

太陽光での生活

キャンピングカーといっても、「Stella Vita」は100%のソーラーカー。航続距離をアップさせるには高い空力特性が必要で、走行時の車高は低く抑えられています。

そんな車高の低い「Stella Vita」での“生活”を実現しているのがポップアップルーフ。停止時には上に開くことで、室内空間を拡大できます。例えば車内にはコンパクトなキッチンなどが装備されていますが、搭乗者はここで立って調理することができます。

 テレビの視聴やラップトップの充電、それにコーヒーを沸かすことすべてを太陽エネルギーで
ポップアップルーフを開けば立って調理が可能に
Photo by Mr. Bart van Overbeeke

停止中には、走行時には折り畳まれていたソーラーパネルを左右にスライドアウトしてその面積を最大化します。このとき、ルーフはソーラーパネルごとポップアップする方式を採用しており、発電量に影響を与えることなく室内高を稼げます。

 テレビの視聴やラップトップの充電、それにコーヒーを沸かすことすべてを太陽エネルギーで
停止中はソーラーパネルを左右にスライドアウト
発電量アップを図ります
Photo by Mr. Bart van Overbeeke

室内にはその他、ダイニングテーブルやベンチシート、棚やキャビネットといった各種収納が装備されています。

環境に負荷をかけない移動を目指して

チームによれば、太陽から地球に降り注ぐエネルギー量は、わずか1時間で全世界が一年間に消費するエネルギー量を超えるのだとか。チームはこの太陽からのエネルギーを有効活用することで持続可能な社会の実現をめざします。

 テレビの視聴やラップトップの充電、それにコーヒーを沸かすことすべてを太陽エネルギーで
充電ステーションでの充電が不要になる未来を目指して
Photo by Mr. Bart van Overbeeke

このコンセプトが実現可能であることを実証するために、チームは「Stella Vita」で9月19日にアイントホーフェンを出発。スペインのタリファまでの旅を、太陽光のみで実施することを目指します。

 テレビの視聴やラップトップの充電、それにコーヒーを沸かすことすべてを太陽エネルギーで
Photo by Mr. Bart van Overbeeke