
2015年に発表され話題となった“ほぼタイヤサイズ”の折り畳み自転車Helix Folding Bike「HELIX」を覚えていますか?当時は数多あるスタートアップの一つに過ぎなかったHelix Folding Bikeはその後も着実に進化を続け、今年7月には新バージョン「Ultralight」を発表。11月には現在の生産設備についても発表しました。同社の折り畳み自転車はいずれのモデルも、日本からも購入できます。

「HELIX」とは?
「HELIX」は、24インチサイズのタイヤを装着した折り畳み自転車。通常の自転車とほぼ同じライディングポジションが取れるようデザインされています。
その最大の特徴は折り畳み機構。多くの折り畳み自転車が「フレームを二つ折可能にしただけ」であるのに対し、Helix Folding Bikeは自転車のより効率的な折り畳み方法を徹底的に追及。「HELIX」を、ほぼ24インチのタイヤサイズになるという「本当に折り畳める折り畳み自転車」に仕上げました。

複数台並べるときに便利です
…複数台買うことはなかなかありませんが
この24インチサイズという折り畳みとしては大きなタイヤと、外装10段または内装11段変速機が組み合わされたことで、通常の自転車と同じように、それなりの距離をそれなりのスピードで走行可能となっています。また、高速走行に対応できるよう、前後にディスクブレーキも搭載されました。

フレーム素材にチタンを採用したのも「HELIX」の大きな特徴。これが軽量なボディ実現に大きく貢献しています。折り畳み自転車は、「畳んで収納できるだけでなく、持ち歩けなければならない」、というのがHelix Folding Bikeの思想ですが、チタンを採用したことでこの思想を実現しました。

「HELIX Ultralight」とは?
今年の7月に発売された「HELIX Ultralight」は、「HELIX」の良さはそのままに、ホイールやブレーキ、クランクセット、そしてドライブトレインといったコンポーネントに軽量かつ高性能なものを採用したモデル。ドライブトレインの違いによって11段外装変速機版とAFLINE内装11段変速機版がありますが、外装11段変速機の付いたタイプは重さ9.2kgを達成しています。
Helix Folding Bikeが2015年にスペックの目標値を発表したとき、「HELIX」の重さは9.5kgになるとしていました。残念ながら製品版「HELIX」では9.5kgは実現できていませんでしたが、今年発売された「HELIX Ultralight」で6年越しのリベンジに成功したことになります。

コンポーネントパーツとしては、Shimanoのデュラエースディレイラー、SramのXX1 Eagleクランクセット、FormulaのCura XC油圧式ディスクブレーキなどが装備されています。

ちなみに、Alfineの内装11段変速機の搭載されたタイプの重さは10.4kgとなっています。
カナダで製造
現在、多くのメーカーが自転車の製造を中国に依存しています。自転車の製造には溶接など手作業による部分が多く、北米で製造すると人件費がかさむためです。Helix Folding Bikeでは溶接工程にロボットを導入。これにより、コスト低減と短期間での製造に成功しました。

また、チタン製チューブの切断にはレーザーを採用。これにより従来より高速なフレーム製造を実現しています。また、新しい折り畳み機構を採用した「HELIX」のチューブは複雑な形状を持ち、従来の技術ではカットが困難でしたが、レーザーカットを採用したことでこちらの課題もクリアできました。

価格
価格は「Standard」バージョンのシングルスピードが2,990ドルで、外装10段変速機付きが3,290ドル。ALFINEの内装11速変速機付きが3,690ドルとなります。軽量な「Ultralight」では外装11段変速機付きが4,490ドルで、ALFINEの内装11段変速機付きが4,790ドル。いずれのバージョンも、日本への送料が別途120ドル必要となります。
価格は折り畳み自転車として考えればかなり高め。でも本当に折り畳め、ちゃんと走れる折り畳みが少ない中では貴重な一台であることも間違いありません。ほかとちょっと違う自転車に乗ってみたい方、いかがでしょうか?
