カーボンファイバーフレームで重さ12.8kgの「maniac」

カーゴバイクというと、大量の荷物に対応できるカーゴ領域と、ハイパワーに耐えられるドライブトレインが強調されがち。その外観は無骨なものが、重量は通常の自転車よりも重いものが多くなっています。

maniac&saneによる「maniac」は、“重い”“デザインが商用車っぽい”というカーゴバイクの常識に抗うモデル。カーボンファイバーフレームによる軽量ボディと、スリークなデザインを実現しています。


カーボンファイバーフレームで重さ12.8kgの「maniac」
maniac&saneによるカーゴバイク「maniac」

フレームはフルカーボン製。サイズの大きなカーゴバイクであるにも関わらず、重さはフレーム単体でわずか4.2kg、ボディ全体でも12.8kgを達成しました。日本のシティバイク(いわゆる、ママチャリ)が18-22kgくらいなので、それよりも軽いボディを実現しています。

カーゴバイクでありながら、前傾のライディングポジションを取れるのも「maniac」の特徴。最近のカーゴバイクでは重い荷物をスムーズに運ぶためにモーターパワーを活用するものが多いなか、「maniac」では人間のパワーを有効に引き出すことにフォーカスしています。

カーボンファイバーフレームで重さ12.8kgの「maniac」
カーゴバイクなのに
前傾のライディングポジションを取れます

人間のパワーをより引き出すため、コンポーネントにはハイクオリティなものを採用。シマノ製のクランクやペダルが搭載されています。

カーボンファイバーフレームで重さ12.8kgの「maniac」
カーゴバイクなのに、高品質なコンポーネントを採用しています

ドライブトレインではチェーンではなくGATESカーボンドライブを搭載し、静かな走りとメンテナンスフリーを両立させました。変速機にはRohloffの内装変速機を搭載して荷物が多いときの軽い漕ぎだしと高速走行、そしてメンテナンスフリーを実現しています。

カーボンファイバーフレームで重さ12.8kgの「maniac」
Rohloffの内装変速機装備

制動系にはシマノ DEORE XT 油圧ディスクブレーキを採用。前後ともに180mmの大径ディスクローターを搭載して大量の荷物に対応します。

荷物はフロントホイールとハンドルの間に搭載するタイプ。620x400mmサイズのカーゴ領域が設置されており、最大で80kgまでの荷物を載せられます。ホイールとハンドルの間には広い間隔ができるので、ハンドリングでは「ドライブバイワイヤ」が採用されました。

カーボンファイバーフレームで重さ12.8kgの「maniac」
目視できる位置に荷物を載せられます

デザインはカーボンボディならではのスリークなもの。溶接跡のない、すっきりとした外観が与えられています。

カーボンファイバーフレームで重さ12.8kgの「maniac」
カーボンボディならではのすっきりとした外観

カーゴバイクは商用目的で製造されたものが多く、安くて耐久性の高いことが重要視されてきました。でも最近になり、クルマの代わりにカーゴバイクを個人で使う人が増えたことで、デザインに不満を持つ人も増えているそう。「maniac」は個人でカーゴバイクを探していて、既存のカーゴバイクの重さやデザインに不満を持つ人に新しい選択肢を与えるものになりそうです。

ただし、価格もクルマなみの9,995ユーロ(143万3,000円)からと、カーボンフレームならでのはのものとなっています。