iPhone、iPad といえども不正アプリケーションと無縁ではない。トレンドマイクロがこのほど公開したセキュリティアプリ「ウイルスバスター モバイル」の iOS 版には、Android 版と同じく危険なアプリを検知する機能が備わっている。

iPhone も不正アプリと無縁ではない -- 「ウイルスバスターモバイル」が iOS 対応
ウイルスバスターモバイル iOS 版

Android スマートフォンやタブレットでは不正アプリが猛威を振るい、セキュリティ対策も年々重要になっている。一方で iPhone、iPad については Apple のアプリ配信サービス「App Store」が厳しい審査をするため、ユーザーはこの問題にほとんど悩まされてこなかった。

だがウイルスバスターモバイル の iOS 版は 不正アプリの検知機能を備えている。トレンドマイクロは、iPhone や iPad にも Android と同じような脅威が存在すると考えているのだ。例として挙がっているのは2012年に iPhone、iPad 向け「初のマルウエア(悪意あるアプリ)」として話題になった「Find and Call」。2012年に見つかり、すでに App Store から削除されてひさしいが、同社はこれが最後だとは思っていない。

実際、2013年にはトレンドマイクロのライバルであるシマンテックが「Happy Block」という詐欺サイトへの誘導アプリを新たに発見している。

どちらの不正アプリも、まず Android 版を公開し、うまくいくと分かってから、iOS 版を出しているようだ。残念ながら Android 向け不正アプリの公開が絶えない状況では、似たような試みは今後も続くに違いない。

ウイルスバスターモバイル iOS 版が備える不正アプリ検知機能は、こうした将来の脅威を見据えたものといえる。

なお、同アプリはフィッシング詐欺などを目的とした不正サイトへのアクセス防止機能もある。こちらはより差し迫った脅威への対策だ。トレンドマイクロによると、2013年は Apple IDなどを狙うフィッシング詐欺サイトが前年比の約20倍、2万3,806件に増えているという。 これに加え、盗難/紛失時のリモート位置検索とアラーム機能、データのバックアップ機能、さらに Apple が承認していないアプリのインストールを可能にする Jailbreak が行われていた場合に通知する機能もある。

ウイルスバスターモバイル iOS 版のライセンス料金は1年間で3,065円(税別)。やや高額に感じられるが、iOS 向け不正アプリが増えていくようなら、その印象も変わるかもしれない。