7月に中国でアクセス不能になるユーザーが出たインターネットサービスは、LINE だけではない。競合する無料メッセージアプリケーション「カカオトーク」、米国 Microsoft のオンラインストレージ「OneDrive」、米国 Yahoo! 傘下の写真共有サイト「Flickr」も同様のようだ。

LINE だけではない、中国でのアクセス不能、カカオトーク、OneDrive、Flickr も
カカオトークも中国での利用に問題が生じていることを告知した

カカオトークは7月3日から、アプリ内で中国での利用に問題が生じていると告知し始めた。同社に問い合わせたところ、現状については「確認中」とし、対処を検討していると答えたが、具体的な内容は明らかにしなかった。

OneDrive や、Flickr についてもユーザーからアクセス不能になるという声が出ている。一部の海外メディアは各社に取材し、こうした問題の存在について確認を取ったと報じている。

原因としては、中国政府がインターネットサービスに対する締め付けをまた強めたためだ、という分析が多い。

背景にあるのは7月から香港で沸き起こった、民主的な選挙を求めるデモだという。この大都市は1997年に英国の植民地から中国の所有に帰ったあと、特別行政区として本土とは異なる「1国2制度」を導入してきた。しかし最近は、香港の政治のトップである行政長官の選挙について、中国政府からの締め付けが強まっていた。

締め付けに反発するデモが香港で発生したが、そのようすがソーシャルメディアなどを通じて本土に伝えられ、人々のあいだに何らかの影響が生じるのを、中国政府は好ましく思っていないのではないかというのだ。

LINE については、2日に公開になった最新の Android 版を導入すれば使えるという声もあるが、うまくいかないという声もある。3日に同社に問い合わせた際は、まだ状況を「確認中」としており、問題の解決について何も断言はしていなかった。

一方、上海のユーザーは4日時点で、LINE のポップアップストアが現地の商業施設にグランドオープンしたことや、LINE のラッピングを施した公共交通機関が運行していることを伝えている。こうしたことを根拠にして、中国政府はまだ徹底的な排除に乗り出した訳ではないだろうという観測もある。