凸版印刷と村田製作所は、PUF 技術を搭載した世界最小の IC タグを共同で開発。小型電子機器の真贋判定向けに12月からサンプル出荷を開始する。

凸版印刷と村田製作所、PUF 技術を搭載した世界最小の IC タグを開発
PUF 技術を搭載した世界最小の IC タグ

PUF(Physical Unclonable Function)技術とは、IC チップがもつわずかな個体差を人間の指紋のように利用する偽造防止技術。従来の暗号技術を用いた高価な IC チップとは異なり、製造コストを抑えながらも偽造される可能性が極めて低いため、次世代のセキュリティ技術として注目されている。凸版印刷は2013年に、PUF 技術を搭載した NFC 対応 IC タグ「SMARTICS-V(スマーティクス・ヴィ)」を世界で初めて開発。偽造・模倣品対策を実施する企業などに向けて販売してきた。

村田製作所は2008年に、RFID タグ内蔵モジュール「マジックストラップ」を開発。工程管理や物品管理などに広く使用されている。2012年には、アンテナを多層基板に内蔵した超小型タイプの「マジックストラップ」の開発に成功。従来の用途に加え、これまで IC タグを取り付けることができなかった試験管やペンなどの小さな製品への取り付けを可能にした。

今回発表された世界最小の IC タグは、凸版印刷がもつ PUF 技術を搭載した IC タグの製造技術と、村田製作所がもつ IC タグの小型化技術を融合することにより実現したそうだ。

同製品は9月10〜12日に開催される「第16回自動認識総合展」(会場:東京ビッグサイト)のトッパンブースで展示される。