カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下の T-MEDIA ホールディングスが運営する電子書籍配信サービス「TSUTAYA.com eBOOKs」は10月末で作品販売を打ち切り、12月末で完全に終了する。ユーザーが購入した作品群(ライブラリ)はおおむね、CCC の提携先である電子書籍配信サービス「BookLive!」で引き継いで利用できる見込みだ。

TSUTAYA 独自電子書店が終了へ -- 購入済み作品は「BookLive!」で閲覧可能に
TSUTAYA.com eBOOKsの告知

CCC は7月、凸版印刷が出資する BookLive と提携し、その電子書籍配信サービスと協力して、さまざまな新事業を始めると発表していた。一方で、CCC グループが独自に運営していた TSUTAYA.com eBOOKs は終了を決めた。

TSUTAYA.com eBOOKs のライブラリは、2015年1月中旬から BookLive のサービスで閲覧可能になる見込み。ただし一部引き継ぎできない作品もあり、そちらについては購入金額分を「T ポイント」として受け取れる。詳細については10月末に TSUTAYA.com eBOOKs のサイト上で明らかにするという。

■電子書籍配信サービス間の「ライブラリ移行」が重要に


過去に終了になった国内の著名な電子書籍配信サービスを振り返ると、例えばローソンの「エルパカ BOOKS」はライブラリがすべて読めなくなり、購入金額分の「Ponta ポイント」での返還となった。楽天の「Raboo」もライブラリの再ダウンロードなどが不能になり、購入金額の一部について「楽天スーパーポイント」での返還があった。

いずれも「買った作品が読めなくなるのは不便」として批判を浴びた。

これに対し、BookLive! へのライブラリ移行を打ち出した TSUTAYA.com eBOOKs の対応は、順当に進めば同様の批判が起こるのを避けられる利点がある。

ちなみに、ソニーも2月に北米での電子書籍サービス終了を発表したが、やはりユーザーのライブラリは Kobo に移行すると案内している。

今後も電子書籍配信の分野では淘汰、統合が進むと見られ、サービス間でのライブラリ移行はいっそう重要となりそうだ。