米国 Google は、企業などにおける Android スマートフォン/タブレットの BYOD(私用端末の業務利用)を支援する取り組み「Android for Work」を発表した。個人のスマート デバイスを業務で安全に活用できるようにするため、セキュリティや MDM(モバイル デバイス管理)といった技術に加え、業務用のアプリケーションや各種ツールをパートナー企業を通じて提供していく。

Google が BYOD 支援サービス「Android for Work」発表、私物 Android 端末を業務に活用
Android for Work で私物 Android 端末を業務に活用
(出典:Google)

Android for Work は、(1)Work profiles(業務用プロファイル)、(2)Android for Work app(業務用アプリケーション)、(3)Google Play for Work(業務用 Google Play)、(4)Built-in productivity tools(オフィス/プロダクティビティ ツール)という主要技術を組み合わせて構成する。

Work profiles は、基盤として Android 5.0(開発コード名「Lollipop」)の暗号技術、セキュリティ強化版 Linux(SELinux)技術、マルチ ユーザー機能などを採用。これにより、業務用データをほかのデータと完全に分離して利用できる専用環境を作り、安全を確保する。逆に、私用スマートフォン内の個人的な情報を業務管理システムに触れさせない、というプライバシ保護の効果も得られる。

Android for Work app は、Work profiles 非対応の Android 4.0(同「Ice Cream Sandwich」)から Android 4.4(開発コード名「KitKat」)までのデバイスに、安全なメール、スケジュール、連絡帳、文書管理、Web ブラウジングといった機能を提供するアプリケーション。Google Play for Work は、アプリケーション配布や一括管理を実施するための Android for Work デバイス向け支援システム。

Android for Work app
Android for Work app

Built-in productivity tools は、「Exchange」および「Notes」対応のメール/連絡帳/スケジュール機能を提供する業務アプリケーション スイート。ワープロ/表計算/プレゼンテーション文書の編集機能も備える。

なお、パートナー企業としては、AirWatch、BlackBeryy、Citrix Systems、MobileIron、SAP、SOTI といった MDM 管理ベンダーのほか、Dell、Hewlett Packard、HTC、Huawei、Lenovo、LG Electronics、Samsung Electronics、ソニー などのデバイス メーカー、Adobe Systems、Salesforce.com、Cisco Systems などの名前が挙げられている。

パートナー企業
パートナー企業