アマゾン ジャパンは、Amazon.co.jp のアカウントを使って他の EC サイトで決済ができるサービス「Amazon ログイン&ペイメント」を5月11日に発表。同日に劇団四季の公式サイトと宅配デリバリーサイト「出前館」で提供を開始し、順次導入先を増やす。

めんどうな登録作業とさようなら--劇団四季と出前館で Amazon アカウントを使った決済が可能に
写真左から、四季 代表取締役社長 吉田智誉樹氏、アマゾン ジャパン セラーサービス事業本部 事業本部長 星健一氏、 夢の街創造委員会 代表取締役社長 中村利江氏

「Amazon ログイン&ペイメント」は、他の EC サイトに Amazon.co.jp のユーザー ID とパスワードを使ってログインすることで、配送先住所やクレジットカード情報などを新たに登録せずに決済できるサービス。「劇団四季」では公演チケット、「出前館」ではピザや寿司などの出前サービスの決済に利用できる。

記者発表会に登壇したアマゾン ジャパン セラーサービス事業本部 事業本部長の星健一氏は、同サービスについて「個人情報や決済情報の登録にかかる手間を減らすことで、顧客満足度や注文成約率を向上できる」と説明。同サービスを先行して展開する米国 Amazon では、カート画面から決済画面に進む間に起きるユーザーの離脱を防ぐことで、注文成約率が10〜34%向上した導入企業もあるという。

導入サイトの1つ「出前館」
導入サイトの1つ「出前館」

導入企業の動機には、Amazon.co.jp を導線とした新規顧客獲得の狙いもあるようだ。劇団四季を運営する四季の吉田智誉樹社長は、「世界で最も人通りが多い“商店街”が Amazon だと思う」と説明。「出前館」を運営する夢の街創造委員会の中村利江氏も、Amazon.co.jp の月間ユーザーが4,000万人に上ることを指摘し、Amazon ユーザーが自社サービスの潜在顧客となることに期待を示した。

なお、「Amazon ログイン&ペイメント」で用いられるクレジットカード情報は導入企業に共有されないという。星氏は、Amazon のセキュリティシステムでクレジットカード情報を管理することで安全性を確保するとともに、導入企業のセキュリティコストを削減できると話した。