日本電信電話(NTT)は、次世代給電システム「高電圧直流給電システム」を NTT グループの通信ビルとデータセンターに導入する技術仕様として、「高電圧直流給電インタフェースに関するテクニカルリクワイヤメント」(技術要件書:TR)を公開した。

NTT、高電圧直流給電でデータセンターを節電するシステムの技術仕様を公開
TR のインターフェイス

この TR により、情報通信分野で次世代給電システムが積極的に利用されるよう、NTT が率先して情報通信分野全体の省エネルギー化を推進していく。

「高電圧直流給電システム」は交流と比べて電圧変換段数が少ないので、電力の損失が低減することが期待できるそうだ。また、電圧が高くなると給電ケーブルが細径化されるので、工事(材料・労務)費を削減できるだけでなく、マシンルームの二重床下気流スペースの環境が改善され、空調関連の省エネ効果も見込める。

ICT 分野のエネルギー消費量が年々増加しているが、それに伴い、温室効果ガスの排出量も増加しており、これが世界レベルでの課題となっている。世界有数の通信ビル データセンターを持つ NTT グループでは、これまで使用電力量の削減施策に取り組み、今後の省エネ対策として、高電圧直流給電システムの開発、導入に注力してきた。

なお、三菱電機は、データセンターのサーバーなどの給電を 380V の高電圧直流(HVDC)化した、高電圧直流給電システム「MELUPS DECO」を販売しているが、これは NEDO 委託研究の開発成果をもとに製品化したもの。また、NTT データは、Facebook が設立した「Open Compute Project」(OCP)日本版の設立より参加、高電圧直流給電についてコラボレーションを進めている。