宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)の初期機能確認運用と初期校正検証運用を終え、同衛星の観測データの定常配布を開始した。

「だいち2号」が観測データの定常配布を開始、御嶽山の噴火前後のようすも
だいち2号
(出典:JAXA)

同衛星は、昼夜や天候によらず地表の画像を取得できる。観測データは、災害発生時の状況把握や森林伐採の監視、オホーツクや極域の海氷観測などへの利用が期待されているという。

御嶽山噴火の前後の様子を比較した画像
御嶽山噴火の前後の様子を比較した画像

災害監視における利用では、9月に発生した御嶽山の噴火について、火山噴火予知連絡会と内閣府の要請を受けて緊急観測を実施し、取得したデータを提供した。また、森林管理における利用では、伐採監視のため森林面積を確認する画像を撮影し、数日後にブラジルに提供している。さらに、「だいち」に続いて「だいち2号」も、航行の安全を確保する流氷監視を目的として、2014年冬より定常利用される予定だという。

なお、一般ユーザへの配布については、リモートセンシング技術センターパスコという、ALOS-2 運用/観測データ一般配布共同企業体を窓口としている。