ギズモードやWIREDが追った幻―「ビットコイン」開発者探しはまたも空振りか
なぜか定期的に開発者の正体探しが盛り上がるビットコイン

Gizmodo(ギズモード)とWIRED。2つの著名ITニュースサイトが、そろって幻のような「bitcoin(ビットコイン)」開発者を追いかけ、見失った。そんな話題がギーク(技術オタク)のあいだで少しばかり関心を集めている。

ビットコイン。「暗号通貨」あるいは「仮想通貨」と呼ばれ、インターネット上に広く流通しつつある電子マネー。最近は日本でもビットコインを使って買い物ができる通販サイトなどが登場し、それなりに認知度が高まっている。

ビットコインの基礎となる仕組みを作った技術者は「サトシ・ナカモト」という名前で知られるが、詳細は不明。なぜか海外のニュースサイトはこの人物の正体を暴くのに熱心だ。

ゴシップ好きな百科事典サイトである「Wikipedia(ウィキペディア)」には、ずらずらとサトシ・ナカモト探しの歴史が書いてある。2011年に米国の「The New Yorker」がフィンランドの研究者やアイルランドの学生を可能性のある人物として検討したことに始まり、最近では2014年に「Newsweek」が、カリフォルニア州在住のドリアン・ナカモト氏こそが「彼」だと名指しし、本人の否定から訴訟騒ぎにまで発展した件も対象だ。

2015年12月になって、ギズモードWIREDがオーストラリアに住むクレイグ・スティーブン・ライト氏こそが「彼」だと示唆。あれこれと根拠を挙げた。しかしライト氏の住居をオーストラリアの当局が捜索したあと、両サイトは結局、怪しげな人物であるとしてトーンダウンしてしまった。ライト氏はビットコインの開発者らしく見える念の入った偽装工作をしていたらしい。

ギークが集まる掲示板「Slashdot(スラド)」などではこの話題を面白おかしく取り上げている。恐らくそのうちウィキペディアにも、サトシ・ナカモト探しの歴史の1つとしてライト氏の名が加わるだろう。