無人飛行機「ドローン」で荷物を届けるサービスが、日本でも実用化するかもしれない。最近そんな報道が盛り上がっている。政府の「国家戦略特区」の1つである千葉市が提案している。

ドローンで荷物を届けるサービスといえば、Amazon.comが海外で実験している「Amazon Prime Air」が有名。便利さと安全との両立が難しいとも言われるが、各国で関心の的だ。

ドローンで荷物を届けるサービス、日本でも実現?―千葉・幕張で提案中
「Amazon Prime Air」。日本で似たサービスは実現するだろうか

日本でも実現の可能性を探る動きはある。今回は地域を限定してさまざまな規制を緩和し、新しい産業などを育てる「国家戦略特区」で提案が始まっている。

中心になっているのは千葉市。海浜幕張一帯を含む「幕張新都心」で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをめどに、日本の技術の高さを示す未来都市を作りたいと考えている。

「幕張新都心」で提案中(画像出典:千葉市)
「幕張新都心」で提案中(画像出典:千葉市)

例えば「ロボットタクシー」の無人運行だとか、幕張のマンションの一部を「Airbnb」が代表するような民泊に利用するとか。ドローンで荷物を届けるサービスもその一部だ。

あくまで提案段階ではあるが、幕張で実現すれば面白そう。この地域は以前から各家庭のゴミを地下のパイプを通じ空気の力で集積所に運ぶ「空気輸送システム」とか、変わった技術を採用しており、昔からちょっとギーク(技術オタク)の雰囲気がある。「幕張メッセ」で、CEATECや東京ゲームショウといったギーク好みのイベントを開催することも、そんな印象を強めているかもしれない。

さてドローンで荷物を届けるサービス。千葉市の当初の提案は、東京湾臨海部の物流倉庫からドローンを飛ばし、海や川の上を通って、幕張の集積所まで運ぶ、というものだった。

最新の提案はそこに新たな内容も加わっている。幕張に住む人に遠隔で診療や服薬指導を行ったうえで、地域の薬局からドローンで医薬品を配達するという。

ドローンで医薬品を運ぶ(画像出典:千葉市)
ドローンで医薬品を運ぶ(画像出典:千葉市)

サービスを利用する人にとっては病院や薬局へ移動したり、順番待ちをしたりする負担を軽減でき、特に子育て世帯、高齢者、障害者にとって便利になる。また薬剤師の負担も抑えられる可能性もある。

もちろんこれが最終案と決まってはいないので、また内容は変わるかもしれないが、何らかの形で日本でもドローンによる物流が進むことは、ちょっと期待したい。