「SUBSTITUE PHONES」 はスマートフォンサイズのプラスチック製プレート。オーストリア ウィーンに本拠をおくプロダクトデザイナーのKlemens Schillingerさんが考案した。
写真撮影:Leonhard Hilzensauer氏
Schillingerさんによれば、人が電車の中でスマートフォンを取り出すとき、急ぎの仕事があるとか、すぐに入手しなければならない情報があるといったケースはまれだという。そうではなく、退屈を紛らわすために取り出しているケースがほとんどで、そしてこれがスマートフォン依存症への第一歩になりうるとしている。
「SUBSTITUE PHONES」は、退屈を紛らわしたいときに、スマートフォンの代わりに使えるプレート。形状やサイズが標準的なスマートフォンに近く、目を瞑って握れば、スマートフォンと思えなくもない。
写真撮影:Leonhard Hilzensauer氏
そしてここがポイントなのだが、「SUBSTITUE PHONES」の表面にはいくつかのストーンが埋め込まれており、このストーンを指で転がすと、利用者はある種の気持ちよさを感じられるようになっているのだ。ストーンは代表的なスマートフォン操作である「スワイプ」や「フリック」、「ピンチ」などを疑似的に行えるような場所に配置されている。
写真撮影:Leonhard Hilzensauer氏
例えば、スマートフォンサイズのプレートの表面で、「スワイプ」「フリック」「ピンチ」などの操作をしても気持ちよくはなれない。スマートフォンのタッチスクリーンを操作し、それに合わせてスクリーン表示が変わる気持ちの良さには中毒性があるが、そのような快感は単なるプレートにはない。
だが、ストーンを回転させるときには、ある種の気持ちよさがある。それは、スクリーン表示が変更される気持ちよさとは異なっているとはいえ、快感であることは間違いない。この気持ちよさが、スマートフォンに対する依存を脱却する第一歩となるかもしれない。
スワイプしたところでロック画面の解除はできないが
ちょっと、気持ちよい
写真撮影:Leonhard Hilzensauer氏
スマートフォン操作は操作対象となるアプリなどによって、使う指が異なる。これにあわせ、「SUBSTITUE PHONES」でも様々な指で操作ができるように様々なタイプが用意された。
人の手にあるタイプは親指で
写真撮影:Leonhard Hilzensauer氏
さて、Klemens Schillingerさんは「SUBSTITUE PHONES」 の市販化を目指している。だが販売開始がいつになるかは、現時点では不明とのことだった。
(「SUBSTITUE PHONES」の画像はKlemens Schillingerさんの許諾を得て、 SchillingerさんのWebサイトから転載させていただきました)