ヤマハ発動機は、着脱式バッテリー搭載の出力2.5kWクラス電動スクーター「NEO'S(ネオス)」を欧州で3月に販売開始する。
通勤手段を自動車からバイクへと切り替える新規バイクライダーと、ガソリンバイクから電動バイクへシフトする既存のバイクライダーとをターゲットにした製品。1. 静かで伸びのある加速感を実現するインホイールモーター、2. フル充電で航続距離約37kmを実現するバッテリー、3. 快適な走りに貢献する専用開発フレームと新低ロスタイヤ、4. 「人機官能EVデザイン」に基づいたスタイリング、といった特徴により、新規・既存バイクライダー両方の顧客獲得を目指す。
クルマからバイクに乗り換える人をターゲットとした50cc相当の電動バイク
NEO'Sの主な特徴
1. 静かで伸びのある加速感を実現するインホイールモーター
パワーユニットには、モーター、リヤブレーキ、MCUなどを一体化した「YIPU II」を採用。モーターは最高出力3.4PS、最大トルク136Nmを発生する。パワーユニットはリムにボルトで締結されているので、タイヤ交換も容易だ。モーターは低回転域で高いトルクを発生。市街地で機敏で滑らか、かつ静かな走行性を発揮する。
2. フル充電で航続距離約37kmを実現するバッテリー
バッテリーは車両から取り外して充電できるタイプ。付属の専用充電器を使用して家庭用電源(AC220V)から充電できる。充電に必要な時間は約8時間で、フル充電すれば約37kmの走行が可能だ。別売のセカンドバッテリーを併用すると航続距離は約68kmとなり、より遠くへの移動が可能になる。
3. 快適な走りに貢献する専用開発フレームと新低ロスタイヤ
フレームでは専用開発した、強度・剛性バランスに優れたバックボーン型を採用。前後サスペンション、各ディメンションとのバランスで快適な乗り心地、自然な操舵感を実現している。フロントホイールには、10本スポークの新作アルミダイキャスト製を採用した。リアホイールには低圧ダイキャストで製造した専用リムを採用。リアタイヤは新開発の低ロスタイプを採用し、省電力消費に貢献している。
4. 「人機官能EVデザイン」に基づいたスタイリング
デザインは、ヤマハのEVシリーズデザインコンセプト「人機官能EVデザイン」に基づいて開発されたもの。ライダーを包容するエルゴノミクス造形(縦軸)と、バッテリーや足回りなどのメカニカル造形(横軸)が、互いに交じり合うようなデザインで、「乗ってみたくなる親和性」(エルゴノミクス)と『新しい走りへの期待』(メカニカル)の対置を表現した。メーカー希望小売価格は2,999ユーロ。アセアンでの販売も順次開始される予定。