Emberが医療技術を駆使した「Ember Cube」や温度調節可能なベビーボトルを発表、新たな市場への拡大を目指す 画像1

Ember、温度制御技術を応用した新製品を発表

温かいコーヒーから生命を救う技術へ

Ember(エンバー)は、2015年に初めてIndiegogoキャンペーンを開始した際、129ドルの加熱式コーヒーマグを実際に購入する人がいるのかと疑問視されました。しかし、ほぼ10年後、スタートアップが提示した初期のアイデアが氷山の一角に過ぎなかったことが明らかになりました。Clay Alexander氏によると、現在ではスマートマグが300万台以上販売され、年間近く100万台に達しようとしています。

公式サイトはこちら:https://ember.com/


製品開発の旅

Ember(エンバー)の始まりは、冷めたコーヒーに対するフラストレーションからでした。アレキサンダー氏は、最初の一口から最後の一口まで完璧な温度を維持できるソリューションを求めていました。高い製品開発コストや国際展開の複雑さなど、ハードウェアスタートアップ固有の障壁に直面しながらも、挑戦を続けました。

市場への挑戦

形と機能のバランスを取ることは、ハードウェア開発における早期の課題でした。エンバーのマグは、温度を効果的に保ちながらも、外観が魅力的で持ちやすいデザインを目指していました。この製品は、Indiegogoでの成功を経て、スターバックスやアップルストアなどの高級リテールストアで販売されるようになりました。


医療分野への拡大

エンバーは、コーヒー以外の分野にも目を向けています。特に、温度制御が必要な医薬品を運送するための「Ember Cube」や、温度調節可能なベビーボトルなど、新たな製品を市場に投入しました。これらの製品は、エンバーの温度制御技術を応用したもので、医療分野での利用を目指しています。

先進医療への貢献

エンバーの技術は、温度が厳密に管理されるべき高度な医療分野での用途にも広がっています。特にEmber Cubeは、がん治療薬やワクチンのような温度管理が必要な医薬品の保管と輸送を可能にします。また、同社は、細胞や遺伝子治療に必要な超低温の輸送技術の開発にも取り組んでおり、今後18ヶ月以内に商業製品として提供される予定です。

Emberの二つの道

消費者向け製品とライフサイエンス分野の研究・製品開発を専門とする二つの部門に分けることで、エンバーはそれぞれの分野での強みを活かし、新たな技術開発に集中できるようになりました。この戦略的な分割によって、医療分野のパートナーや投資家を引き付けることが可能になり、エンバーの技術はさらなる発展を遂げています。



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