
「WhiteCrow Hub」は、自転車のペダルパワーでタイヤの空気圧を調整できるマウンテンバイク用のハブ。ベルギーに本拠を置くWhiteCrow Techが開発した。

マウンテンバイクに乗っているときには、舗装路を高めの空気圧で走行したいときと、オフロードなどで空気圧を下げ、高いトラクションを得て走行したいときがある。だが道路状況にあわせ、タイヤの空気圧を上げ下げするのはとても面倒だ。


「WhiteCrow Hub」はこの問題を解決してくれるハブ。ハンドルバーに取り付けたレバー操作により、空気圧を一瞬で変化させることができる。
「WhiteCrow Hub」は、2つのパートで構成されている。1つはタイヤ内部に取り付けられる高圧空気の保持チューブ。もう1つがハブ本体だ。チューブは細いホースでハブとつながっており、ハブはまたもう一本のホースでタイヤにつながっている。

タイヤの空気圧を上げたい場合、ハブのエアバルブを開く。すると、チューブ内の高圧空気がハブを経由し、タイヤへと流れ込む仕組みだ。

反対に、空気圧を下げたい場合には、ハブ内部のエアポンプが機能。タイヤ内の空気を吸い込み、チューブ内へと送り込む。この際にはホイールの回転エネルギーが使用される。電力は使用しないので、バッテリー切れなどの心配のないシステムだ。

チューブ内へと送り込む
電力を使用しないというのは、「WhiteCrow Hub」の大きな特徴。空気圧の上げ下げはハンドルバーに取り付けたレバーで操作するが、このときも電力は使用しない。ブレーキなどと同様に、レバーからハブまで伸びるワイヤーによって、バルブやポンプの動作が切り替えられている。

WhiteCrow Techは現在、「WhiteCrow Hub」の市販化に向けクラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、499ドルの出資でハブ+チューブ+ハンドルバー取り付けレバーを入手可能だ。入手に必要な金額はキャンペーンが進むにつれて上昇し、終了後の市販価格は1,000ドル程度となる予定。出荷は2017年6月を目指している。
