「CRONO」は自動変速機&ベルトドライブを備えた通勤用自転車。スコットランドグラスゴーに本拠を置くPedale88 Bicyclesが開発した。
開発を思い立ったのは同社創業者であるVincenzo Severinoさん。Severinoさんは雨や雪の多い街でもボディをつねに美しく保て、かつメンテナンスの手間がいらない自転車を目指して「CRONO」をデザインしたという。
そのポイントは、「グリースレス」と「ケーブルレス」の2つの“レス”。チェーンをベルトドライブに交換して「グリースレス」とし、油の飛び散りによる汚れを防いでいる。変速機にも内装の自動変速タイプを採用し、メンテナンスの手間を減らしつつ、シートステイやチェーンステイの油汚れを防いだ。
内装自動変速機の採用は、「ケーブルレス」実現にも貢献している。変速機を搭載した自転車では、ギアを選択するシフトレバーをハンドルバーに取り付け、そこから変速機までケーブルを這わせる必要がある。だが自動変速機ではスピードに合わせて変速機が適切なギアを選択してくれるので、シフトレバーとケーブルは不要だ。ケーブルレスとすることで、定期的にケーブルを交換する手間を省ける。
メンテナンスフリーに
制動装置は、ペダルを逆回転させることで停止する“コースターブレーキ”を採用。これも、ケーブルレス実現に向けたデザインだ。
とはいえ、日本で公道を走行するには前輪にもブレーキの装着が必要となる。Pedale88 Bicyclesでは「CRONO」出荷時には、前後輪にキャリパーブレーキを装着して出荷するそうだ。完全なケーブルレスではなくなってしまうが、日本の道路交通法に準拠した、安全な走行が可能となる。
デザインよりも法律順守を優先
通勤用自転車に乗る人はスニーカーや革靴など、様々なクツを履いている。「CRONO」ではこれに対応するため、クリップレスで滑りにくいペダルを採用した。
フレームは身長155~177センチまで対応のRegularと、178~198センチまで対応できるLargeの2種類。これはVincenzo Severinoさんの身長が198センチあり、自分も乗れる自転車を開発したいということで設定されたサイズだそうだ。
Pedale88 Bicyclesでは現在、クラウドファンディングサイトkickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施している。本稿執筆時点では自動変速機(2速)のEarly Bird版が589英ポンド+送料100英ポンドで入手可能だ。入手に必要な金額はキャンペーンが進むにつれて上昇し、終了後の市販価格は749英ポンド+送料となる予定。出荷は2017年9月に予定されている。