英国の自転車ブランドBROMPTONから、待望の電動アシストバージョン「BROMPTON ELECTRIC」が発表された。現在英国在住者を対象に予約を受け付けている。
BROMPTONの自転車は、“折り畳める折り畳み”自転車。折り畳み自転車所有者には、愛車を折り畳まずに使用しているという人が珍しくないなか、折り畳み易く、持ち運び易いBROMPTONは、本来の使われ方をされているケースが多い。
BROMPTONがターゲットとしているのは都市部在住者。そして都市部には坂がつきものだ。例えばBROMPTONのオフィシャルストア「BROMPTON Junction」のある代官山は坂が多く、同店のオープン時に試乗体験をした人からは「電動アシストがあれば良いのに」という声も聞かれた。そのためか、サードパーティ製の電動アシストトランスフォームキットもいくつか発表されている。
バッテリーはドリンクボトルに偽装するタイプ
(注:日本では使用不可)
今回発表された「BROMPTON ELECTRIC」は、“坂道を楽に登りたい!”という一部BROMPTONオーナーの願いにこたえる一台。BROMPTONの美しいデザインはそのままに、坂の多い街にも対応可能となっている。
電動アシスト機能を両立
電動アシスト自転車では、モーターとバッテリーの存在感が存在感を主張しすぎ、デザインを台無しにしていることがある。BROMTONはこの点に配慮。モーターにはフロントハブタイプを採用し、バッテリーをフロントに装着するバッテリーバッグに隠して美しいデザインの維持に成功した。
ちょっと、フロントヘビーかも?
これらの工夫により、従来モデルのBROMPTONと同様の利用が可能になっている。折り畳んだときのサイズは従来モデルとそれほど変わらないので、オフィスのデスク下などに収納することも。
BROMPTONが電動アシスト化されると聞いて多くの人が不安に感じるのは、重量増だろう。モデルにもよるが車重12キロ以下が売りのBROMPTONに電動アシストユニットが装着されたら、輪行などで不利な重さになるのでは?と思える。
電動アシストバージョンの重量は、現時点で発表されているものでは、2速変速機付きモデルで16.6キロ、6速変速機付きで17.3キロ。輪行は少し厳しくなるかもしれない重さだ。だが「住んでいる集合住宅に駐輪場がなく、部屋に置かざるを得ない」「オフィスに駐輪場が…(以下略)」という人の使用には十分だろう。
ちなみに、バッテリーバッグを取り外した際の重さは2速変速機付きモデルで13.7キロで、6速変速機付きで14.4キロ。従来モデルプラス2~3キロの車重となるで、利用シーンによってはバッテリーバッグを取り外して乗るというのもありだ。バッテリーバッグの重さは2.9キロとなっている。
製品付属のバッテリーバッグはバッテリーのみしか入れられないが、BROMPTONはアクセサリーとして20Lの大容量バッテリーバッグ(別売り)も用意。こちらを装着すれば、バッテリーのほかノートPCなどを入れて走行できるそうだ。
バッテリーは付属の充電器を使用した場合、4~5時間でフル充電、3~3.5時間で80%充電できる。フル充電した場合、40-80キロのアシストが可能だ。
価格はモデルによって異なるが2,595英ポンド(約37万円)から2,755英ポンド(約39万円)。予約には200英ポンド(約2万8,500円)が必要となる。
「BROMPTON ELECTRIC」の日本での発売についてミズタニ自転車の担当者に尋ねたところ、現時点では未定という回答を得た。日本では電動アシスト自転車と認められるスペックが欧州や米国とは異なるため、対応には時間がかかりそうとのことだった。