ウェザーニューズが2016年のゲリラ雷雨傾向発表

ウェザーニューズは7月から9月の「ゲリラ雷雨傾向」を発表した。今シーズンのゲリラ雷雨発生のピークは8月初旬と下旬と予想している。予想発生回数は昨年と同程度となるが、9月だけで見ると昨年比30%増となる見込み。

■2016年のゲリラ雷雨発生傾向 
“ゲリラ雷雨”は急激に発達する積乱雲がもたらす局地的な激しい雷雨。太平洋高気圧が弱まり、湿った空気や上空の寒気が流れ込む時に発生しやすくなる。


2016年ゲリラ雷雨発生パターン

今シーズンのゲリラ雷雨発生のピークは8月初旬と下旬の予想。7~9月のゲリラ雷雨の予想発生回数は昨年と同程度だが、9月に限ってみると昨年比30%増となる。今年はラニーニャ現象の影響で9月も発生リスクは高め。長期戦を覚悟したほうがよさそう。

2016年ゲリラ豪雨傾向

時期別では、7月下旬は太平洋高気圧の張り出しが強く、ゲリラ雷雨発生回数は比較的少ない予想。高気圧は周期的に強弱を繰り返し、8月初めとお盆過ぎに弱まる時期があるため、8月初旬と下旬にゲリラ雷雨の発生が多くなると予想している。

昨年はお盆以降に前線の影響を受けて、ゲリラ雷雨の発生は急速に減少したが、今年はラニーニャ現象の影響で太平洋高気圧が9月も勢力を保つ。このため9月は残暑が厳しい上に、9月前半までゲリラ雷雨の発生リスクが高い状態が続きそう。

都道府県別ゲリラ雷雨発生傾向

今回発表された見解は、7月5日時点の情報をもとにしたもの。最新の情報については、ウェザーニューズのスマートフォン向けWebサイト「ゲリラ雷雨傾向」、スマートフォンアプリ「ウェザーニュースタッチ」を参照されたい。

■エリア別のゲリラ雷雨発生傾向
◆ゲリラ雷雨の発生が1番多いのは関東甲信で約1,400回の予想
今シーズンはエルニーニョ現象が終息してラニーニャ現象への移行期にあたり、太平洋高気圧はインド洋の海水温が高い影響を受けて、西への張り出しが強くなる。また高気圧の北への張り出しは周期的に強弱を繰り返す予想。このため、西~東日本の日本海側・関東北部・東北南部は高気圧からの湿った空気が流れ込みやすい時期があり、大気の状態が不安定になりやすく、発生回数は昨年より多くなる。

エリア別のゲリラ雷雨発生傾向

全国で最もゲリラ雷雨の発生が多いエリアは関東甲信で、約1,400回の予想。一方、西~東日本の太平洋側は高気圧に覆われる日が多く、ゲリラ雷雨の発生回数は昨年より少なめとなる。東北北部と北海道は高気圧に覆われず前線の影響を受けて曇りや雨の日が多く、ゲリラ雷雨は昨年より少なくなる予想。

◆北日本
北日本のゲリラ雷雨の発生回数は、東北南部で昨年より増える一方、東北北部や北海道で昨年より減ると見られている。

北日本ゲリラ雷雨発生傾向

夏の高気圧の北への張り出しがそれほど強くなく、東北南部は湿った空気の影響を受け、ゲリラ雷雨が発生しやすくなりそう。東北北部から北海道は夏の高気圧よりも前線などの影響を受けやすく、局地的に発生するゲリラ雷雨の発生回数が少ない見込み。

北日本全体では、湿った空気が流れ込みやすい8月上旬や下旬に発生回数が増えそう。

◆東日本
東日本のゲリラ雷雨はエリアごとの違いに注意が必要となる。東日本全体でのゲリラ雷雨の発生回数は昨年並みになるところが多いと見られるが、高気圧からの湿った空気が流れ込みやすい関東北部と北陸は昨年以上にゲリラ雷雨が発生しそう。

東日本ゲリラ雷雨発生傾向

栃木県や茨城県では200回以上の発生が予想され、特にゲリラ雷雨への注意が必要となる。高気圧にしっかりと覆われる日が多い、関東南部や東海は昨年と同じかやや少ない傾向。

高気圧の勢力が一番強まる梅雨明け直後の7月下旬やお盆期間中は、大気の状態が比較的安定するためゲリラ雷雨の発生も抑えられるが、大気圧が弱まる8月初旬や下旬は発生回数が増加しそう。今年は9月になっても高気圧からの湿った空気が流れ込むため、回数はなかなか減らず、関東甲信エリアでは9月だけで300回近い発生が予想されている。

◆西日本
西日本のゲリラ雷雨の発生回数は九州で昨年より少なめ、中国や近畿北部で多くなりそう。今年は、夏の高気圧が西に勢力を強める傾向で、九州や四国はゲリラ雷雨の発生しにくい日が多いと見られる。一方、高気圧からの湿った空気が流れ込みやすい中国や近畿北部は昨年より20~30%ほど増えそう。

西日本ゲリラ雷雨発生傾向

梅雨明け後しばらくは高気圧が勢力を強めるが、8月初めと8月下旬は高気圧が弱まり、ゲリラ雷雨の発生が増加しそう。

近畿エリアでは9月も高気圧からの湿った空気が流れ込みやすく、9月は昨年の約2倍の発生が予想される。

四国は例年並みの予想。だが昨年の発生回数が極端に少なかったため、昨年と比べると2倍の発生回数となる見込み。