車体を傾けてカーブできるヤマハのTRICITY。この3輪バイクは、これまで家族の反対でバイクに乗りたくても乗れなかった人たちに人気が高い。3輪のため、転倒などのリスクが低いというのが、家族を説得できる理由だという。また3輪でありながら、走る楽しさも捨てていないのも魅力のひとつだ。
そのTRICITYを製造・販売しているヤマハは、デザインコンセプト「05GEN」を公開した。これは自転車版のTRICITYとも言える乗り物。3輪なのに車体を傾けて曲がれる電動アシスト自転車だ。
「05GEN」は、「日本一美しい島・大三島をつくろう」というプロジェクトを支援する乗り物。尾道と今治を結ぶしまなみ海道の中央に位置する今治市伊東豊雄建築ミュージアムに展示され、この地域における新しい移動手段を提案する。
大三島はしまなみ海道のほぼ中央に位置している
(画像は、今治市伊東豊雄 建築ミュージアムのWebサイトから)
最大の特徴は、TRICITYで話題となったリーニング機構の採用。これにより、3輪自転車でありながら、小回りが利くようになった。軽い雨や日差しからサイクリストを守るルーフも装備されている。
ちょっとした雨でも大丈夫
3輪車は2輪車よりも低速度で安定するので、観光地などをゆっくりと走行するのに向いている。だが、3輪になった分重量も増してしまうので、漕ぎ出しが重かったり、坂などを上るのが困難だったりという欠点も持つ。
「05GEN」は電動アシスト機構を装備したことで、この問題を解決した。電動モーターは特に漕ぎ出しや低速度でのアシストに強いため、3輪自転車の良さを活かしつつ、欠点を補うのにぴったりなのだ。
では、TRICITYのもう一つの強みである、走りの楽しさはどうだろう?「05GEN」にも継承されているだろうか?こればかりは、実際に乗って走ってみなければわからない。
「05GEN」は、今治市伊東豊雄建築ミュージアムのリニューアルオープン内覧会(7月2日)とトークイベント(7月3日)で公開され、同ミュージアムに展示される。しまなみ海道といえばサイクリストの聖地。サイクリングにでかけたついでに、その可能性を自分の目で確かめてみても良いのかもしれない。
なお、現時点の情報では、「05GEN」は展示のみで、試乗などはできないとのことだった。今後この方針が変更されることを期待したい。