
オーストラリア ニューサウスウェールズ州のバイロンベイで2017年12月16日、新たな鉄道サービスが開始された。世界初のソーラー電車の運行がByron Bay Railroadによって正式にスタートしたのだ。

このサービスで使用されている車両は1949年に製造されたもの。1990年代中盤頃まで利用されていたが、その後は放置されていた。Byron Bay Railroadはこれを借り受けて修復。さらに屋根にソーラーパネルを貼り付けるなどしてソーラー電車として蘇らせた。

20年以上放置されていた

屋根にソーラーパネルを貼るなどしてソーラー電車に
車両から2個取り付けられていたディーゼルエンジンのうち1個を取り外し、代わりにバッテリーとモーターを搭載した。このバッテリーは屋根上のソーラーパネルのほか、回生ブレーキによっても充電される。加速に使われたエネルギーの約25%が回生ブレーキによって回収されるという。もう一つのディーゼルエンジンは、バックアップ用に残された。

バッテリーはまた、駅舎の屋根に取り付けられたソーラーパネルからも充電される。この駅は、ソーラー電車の運行に向けて新規に建築されたものだそうだ。

客車内には1940年代の雰囲気がわずかながらに残る。一方でソーラーパネルなどの最新の技術も搭載されている。Byron Bay Railroadのソーラー電車は、懐かしさと新しさを同時に楽しめる鉄道サービスと言えるだろう。

運行は2両編成で、定員は100名。客車内には顧客の手荷物や自転車、そしてサーフボードを置くスペースが用意されている。路線はByron Beach駅とNorth Beach駅間を往復する全長約3キロ。運賃は大人3オーストラリアドルとなっている。

現在は、仮の時刻表で試験運転中。月曜日から土曜日まで一日8往復程度運行している。2018年1月からは、運行本数を増やし本格運行となるそうだ。1月以降のスケジュールについては未定。最新情報については、Byron Bay RailroadのWebサイトで確認されたい。

年末年始に休暇を取り、オーストラリアでのんびりするという人もいるだろう。機会があれば、Byron Bay Railroadを訪れてみてはいかがだろうか?ソーラーパネルの付いた電車や駅舎を写真に撮れば、珍しい風景として話題になるかもしれない。
